WebMO(iOS)が静電ポテンシャルマップの透過表示に対応

以前紹介した、無料で使えるiOS用3D分子モデリングアプリWebMOが2015年6月7日にバージョン1.3.4にアップデートされました。このアップデートによって、静電ポテンシャルマップの透過表示が可能になりました。

そもそも、計算による分子中の電荷分布を示したものが静電ポテンシャルマップ(electrostatic potential maps)です。電子の多い箇所(赤)と少ない箇所(青)を視覚的に簡単に捉えることができます。これまでのWebMOでも静電ポテンシャルマップを出力することはできましたが、出力後は分子の球棒(ball and stick)モデルが見えなくなるという問題がありました(下図)。これでも分子全体の静電ポテンシャルを把握することはできますが、どの原子が電子豊富でどの原子が電子不足なのかを知ることはできません。

iPhone_WebMO_potentail
球棒モデルが見えないメタノールの静電ポテンシャルマップ

ですが、今回のアップデートによってポテンシャルマップが透過表示され、分子の球棒モデルとポテンシャルマップを同時に描画することが可能となりました。以下の図は、v1.3.4のWebMOで出力したメタノールの静電ポテンシャルマップです。酸素Oは電気陰性度(electronegativity; EN)が3.5、炭素Cは2.5なので、メタノールでは酸素原子の周りの電子密度が高いはずですが、この図を見れば酸素原子の周りが赤く表示されて電子が多く存在することがわかります。

iphone_webmo_potentail_methanol
透過表示によるメタノールの静電ポテンシャルマップ

次は水分子H2Oを見てみましょう。水素HのENは2.2、酸素OのENは3.5なので、酸素原子周辺は電子豊富になり、水素原子周辺は電子不足となるはずです。以下の図が、WebMOで出力した水分子の静電ポテンシャルマップ。静電ポテンシャルと原子の対応関係が一目瞭然ですね。

iphone_webmo_potentail_water
透過表示による水の静電ポテンシャルマップ

化学の教科書ではよく見かける透過表示の静電ポテンシャルマップですが、まさかスマホの無料アプリ(App内課金あり)で描画できる時代がこようとは。開発者に感謝しましょう。今後もWebMOを活用させていただきます。

ちなみに、いつのまにかAndroid版のWebMOも公開されていました。こちらも基本無料、透過表示も可能なようです。すばらしい!

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