水出しマローブルーはこんな色

anthocyanidin

先日、pH指示薬の実験でマローブルーというハーブティーを使用しました。マローブルーにはアントシアニンという色素が含まれています。アントシアニンはアントシアニジンに糖が結合した配糖体(糖と糖以外の物質がくっついたもの)と呼ばれる構造をしています。で、実際に発色する際に重要なのが糖以外の部分(アグリコンといいます)であるアントシアニジンです。このアントシアニジンとよばれる物質は極めて不安定で、遊離状態では速やかに退色することが知られています*。前回の実験でも、中性領域の溶液の色が薄ピンクから薄茶色へと短時間で変化する様子を確認しました。少しでも安定的に色素を抽出してその色を観察できればいいな〜、ということで水出し抽出を試してみることにしました。

常温の水道水100mLを入れたビーカーに、マローブルーの花を3つほど放り込みました。花から色素が溶け出ている様子がわかります。

infusion_water_mallowblue_2

水出しでは時間がかかるかと思いきや、ものの数分で紫色の濃い抽出液を得ることができました。

infusion_water_mallowblue_1

20分ぐらいはこの色を維持できていた気がします。マローブルーの実験をする際には、水出しすればいいということです。勉強になりました。

 * 今掘和友, 山川民夫監修(1998)生化学辞典, 第3版, p112, 東京化学同人.

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